ワインのお話

コアコンセプトドクター,ワイン, 2022/03/09



皆様、ワインは赤・白どちらがお好きですか?
やはりお料理に合わせてですか?
お魚料理には白、お肉料理には赤など料理との組み合わせで味の変化がある、
何とも奥深い飲み物ですよね。
今回は前回に続き、ワイン特に五大シャトーについて書き進めていきたいと思います。

五大シャトー



メドック産ワインの格付けは、1855年当時の皇帝ナポレオンがパリ万博に出品するため、
ワインの格付けを命じたことに始まります。
ナポレオンの命により、ボルドー商工会議所から依頼を受けた仲買人が、
5つの等級にランク付けしました。
以降、格付けの見直しが行われることはほとんどないそうです。

メドック地区では、古くからワインの格付けが行われています。
対象となるのは、メドック地区のシャトー60軒と、グラーヴ地区のシャトー・オー・ブリオン。
格付けは1級から5級までありますが、1級に認められているのはわずか5つのシャトーのみ。
これが「ボルドーの五大シャトー」です。

ちなみにメドックとは、ボルドー地域内にあるメドックという地区。
この限られた地区で栽培されたブドウを使ったワインのみが1級品となります。

■シャトー・ラトゥール

栽培されているのはカルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド。
オーガニック肥料の使用、減農薬栽培や有機栽培など、さまざまな方法を取り入れ
ブドウ作りをしています。
ラベルの絵柄である塔は戦争でなくなってしまいましたが、
17世紀に鳩小屋として復元されています。
ラトゥールが有名になったのは18世紀。
シャトー・ラフィット・ロートシルトを所有するセギュール侯爵が所有者になってからです。

■シャトー・ラフィット・ロートシルト
ロートシルトを英語読みするとロスチャイルドです。

カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フラン、プティ・ヴェルドが
栽培され、化学肥料・有機肥料の使用はごくわずか。
ブドウの収穫を手摘みで行うなど、丁寧な作業でワイン造りをします。
シャトー・ラフィットの名を広めたのは、17世紀セギュール侯爵が所有者になってから。
1868年ロスチャイルド家の5男、ジェームズ・ド・ロートシルト男爵が購入し、
「シャトー・ラフィット・ロートシルト」と名を変えました。

■シャトー・ムートン・ロートシルト(ロスチャイルド)

カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フラン、プチ・ヴェルドが栽培され、
減農薬栽培が特徴です。
2級から1級に格上げした唯一のシャトーです。
1級間違いなしと思っていたワインがまさかの2級。
奮起したロスチャイルド家は栽培方法を見直し、同時にさまざまな運動を行い、
1973年悲願は達成されました。

■シャトー・マルゴー

カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、カルベネ・フランのほか、
白ワイン用ブドウのソーヴィニヨン・ブランも栽培されています。
農園だったマルゴーでは、16世紀からワイン造りが始まりました。
ラベルになったシャトーを建設するまでに成長しますが、19世紀害虫被害を受け
畑はほぼ壊滅状態。一時名声を落としてしまいますが、1977年にギリシャ人実業家、
アンドレ・メンツェロプーロスがシャトーを購入。
立て直しを図り、1978年にリリースしたワインで名声を取り戻すことに成功。

■シャトー・オーブリオン

メドック地区以外で唯一認定されたのがシャトー・オー・ブリオン。
カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カルベネ・フランの3種類が栽培されています。
ワイン造りが始まったのは1550年。1666年息子である、フランソワ・オーギュストが
ロンドンで「シャトー・オー・ブリオン」を飲める居酒屋を開き、知名度があがりました。
その後、さまざまな所有者の手に渡り、1935年アメリカの銀行家クラレンス・ディロンが所有。

ロスチャイルド家

ロックフェラー財団と同じくらい都市伝説界隈ではロスチャイルド家の陰謀論などと
して、一度は耳にしたことがあるかと思います。
ロスチャイルド家は、フランクフルト出身のユダヤ人富豪で、
マイアー・アムシェル・ロスチャイルド(初代)の代で銀行業を確立し、隆盛を極めました。
マイアーは希少価値のある古銭取引をする商人となり、26歳の若さでドイツの貴族、
皇太子ヴィルヘルム9世の財政・徴税担当者に任命され、手助けをするようになります。

ナポレオンが侵攻してきた際、ヴィルヘルム9世は資産の大部分をマイヤーに託します。
彼はその成功報酬で5人の息子たちをフランクフルト、ウィーン、ロンドン、
ナポリ、パリに送り出し、それぞれがそれぞれの土地で銀行業を起こします。

一族の武器となったのは情報ネットワーク。
「情報こそがカネに変わる」ことを見抜いていたロスチャイルド家は、
欧州にちらばった息子たちと情報網を構築し、さらに欧州大陸に鉄道を建設することで、
産業革命を広めていきます。
19世紀のロスチャイルド家は、世界最大の私有財産がありましたが、
20世紀に入ると、一族の資産は減少し、多くの子孫に分割されました。
と言っても分割された資産は膨大な金額ではないでしょうか。

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