長野県松代町と戦争の爪痕象山地下壕(大本営)
長野県、今回は北上して松代町についてお話をしてみたいと思います。
頑丈な岩盤に築かれた松代大本営。
「真田幸村」でも知られる真田家が藩主を務めた松代。そして明治維新の大先覚者「佐久間象山」が
生まれた場所。それが長野県松代です。
長野県松代町(まつしろまち)
長野新幹線「長野駅」から車で約20分の場所にある松代町。
ここは2016年NHK大河ドラマで放映された【真田丸】でもおなじみの、
真田家の本拠地。
【真田丸】は武田家家臣となれば織田信長に倒され、織田信長家臣となれば
本能寺の変で暗殺され、豊臣家臣となれば徳川に敗れるという何とも主君に
縁が薄い…そんな一族の物語だったかと思います。
それでも真田幸村の兄信之が徳川方についていたお陰で、
真田家は松代藩主として10代存続しました。
<松代城址>
ちなみに真田家のしるし旗【六文銭】は
三途の川の渡し賃として当時信じられていました。
旅人はいつ死んでも大丈夫なように、衣服の裾に六文銭を縫い付けたと言われ、
戦国時代に戦った足軽なども、そのようにしていたそうです。
佐久間象山先生
明治維新の大先覚者【佐久間象山】は長野県松代町の生まれ。
天保4年(1833)に江戸に出て私塾に入るが、3年後には松代に帰る。
天保10年江戸に塾を開く。
老中となった藩主真田幸貫より海外事情の研究を命じられ天保13年に「海防八策」を上書。
安政元年(1854)吉田松陰の事件にかかわったとして松代にて謹慎。
文久2年(1862)赦免。
元治元年(1864)幕府の命を受けて上洛し開国論を主張しましたが、尊皇攘夷派によって暗殺されてしまいました。
外国船が入ってきたことにより、外国の文化や持っている武器に驚愕し、猛勉強したのでしょう。
吉田松陰に影響を与え、やがては高杉晋作・伊藤博文・山形有朋へと
受け継がれていくのですから…とんでもない偉人です。
象山神社
松代町にある象山神社は、
東洋の精神文化と西洋の物質文明の両方に通じ、 砲術家・科学者・医学者・政治家・詩人・儒学者
という多彩な顔を持つ佐久間象山(知恵と学問)がを御祭神です。
神前結婚式もできるそうですので、ご興味のある方はこちらから問い合わせてみてください。
松代大本営地下壕
皆様はここ松代に延長10㎞に及ぶ大本営地下壕があるのをご存じでしたか。
第二次世界大戦の末期、軍部が本土決戦の最後の拠点として、極秘のうちに、
大本営(皇居・政府各省等)をこの地に移すという計画のもと、
昭和19年11月11日から翌20年8月15日の終戦の日まで、およそ9箇月の間に建設されました。
この建設には、当時の金額で1億円とも2億円ともいわれる巨費が投じられ、
労働者として多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたとかされなかったとか…
大本営は舞鶴山(まいづるやま)を中心として、皆神山(みなかみやま)、象山(ぞうざん)に
碁盤の目のように掘り抜かれたのです。
ここは地質学的にも堅い岩盤地帯であるばかりでなく、
海岸線からも遠く、川中島合戦の古戦場として知られている要害の地なんだそうです。
その地を選んだ大本営。
昔この地下壕に行ってみました、足がすくんでしまい、
1~2メートルで引き返した覚えがあります。
戦争というのは嫌な思いだけ残して、何も残しません。
戦いは己とだけで十分です。
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